« イタリアワインと熟成肉 at 小松屋人形町本店 | トップページ | 某輸入元での社員教育セミナー »

2017.04.21

FIC試飲会で見つけたおいしいワイン

 FICの試飲会で見つけたおすすめ3本を紹介します。

Dsc02605_2



Martin Schaetzel Sylvaner V.V  2014 
参考上代2600

 この生産者は数年前よりずいぶん進歩して、抜けがよくなりました。昨年シュロスベルクの丘の前を通ったら、このドメーヌの新しい建物が目をひきました。

 さてこれはアルザスの地酒、シルヴァネル。シュークルートには、他の品種を考えなくてもいいぐらいです。リースリングが合うと言う人がいますが、それではキャベツには合いますがソーセージには合いません。ちなみにシュークルートはソーセージ料理なのかキャベツ料理なのかという議論をするなら、リースリングと言う人にもそれなりの正当性はあると思います。くどくない、甘くないのが美点です。ワインだけで飲むとそれなりにリッチなほうがおいしいとしても、塩味の豚肉にはこのぐらいの節度あるスケールの辛口が、料理の味を壊さないバランスでいい。もちろんシルヴァネルですから重心は下で水平的で丸い味です。シュークルートではなくとも、豚を使った料理には幅広く合いそうです。ちなみにチャーシュー的な味の豚ならピノ・グリです。正直、アルザスのリースリングの出番は少ないものです。

 

Dsc02611_2



Vincent Latour Meursault Grands Charrons 2014 
参考上代8000

 1級ぺリエール、シャルム、グット・ドール、ポリュゾを所有するムルソーの生産者。気取りがない、腰の据わった、明るく素直なおいしい味。いかにもムルソーです。ムルソーらしくなくてまるでピュリニーみたいだ、などと言われるムルソーではしかたない。ムルソーではここ十何年かそういう傾向がありますし、ある生産者自身がそう言っているのも聞いたことがあります。うーむ。ムルソーはムルソーらしいでいいではありませんか。この重心が低いピラミッド型の味の安心感!

 村名ですが、一級のような風格があります。それは当然で、グラン・シャロンは一級と同じ標高で東に回り込んだ場所です。最近は暑いのだから、真東も悪くはありません。手慣れた造りの安心できるおいしさとはいえ、昔のような酸化やら過剰な粘りやら樽やらはありません。意外ですがバトナージュなしです。樽はドゥミ・ミュイであってピエスではありません。今の流行の方法を用いてこの味というのが、さすがムルソー人の造るムルソーだな、と思います。村名で8000円は高いとはいえ、ムルソーとしては今ではお買い得と言うべきなのかも知れません。

 

Dsc02609_2



Michel Magnien Coteaux Bourgignons Pinot Noir 2013 
参考上代3300

 フレデリック・マニャンのドメーヌです。2010年からビオディナミですが、それ以降の進歩たるや顕著で、しっとりした質感の中にじんわりした旨みやミネラルがあり、静かで知的なダイナミズムが感じられるようになりました。特級クロ・ド・ラ・ロシュやクロ・サン・ドニが素晴らしいだけではなく、格的には一番下に位置するコトー・ブルギニヨンも同じ特徴です。

 ビオディナミ以降のマニャンのタンニンは極めて美麗で、ストラクチャーをタンニンに依存しないのがいいところです。つまり、よりロゼ的に(最上の意味で)なっていると思います。このワインは、力がいい感じに抜けて、写真を見て分かるとおり、まるでロゼ(というかキアレットないしクレーレ)です。かわいらしいイチゴの香りも素敵です。

Dsc02610_2




 けっこう神経質だったり頑張り感がツラいブルゴーニュ、ないしその反対に、地位保全の守りの姿勢が見える、よくできているがつまらない味のブルゴーニュがよくあると思いますが、これは違います。飲んでいてポジティブな気分になります。価格も常識的。これならレストランでも普通に売れるはずです。厳格で崇高で超高価なブルゴーニュだけがブルゴーニュではなく、普通に飲んでおいしいお買い得なブルゴーニュもあるのです。2013年らしい小づくりだが密度の高い甘い果実味も、コトー・ブルギニヨンというワインに期待したい方向性と合致していると思います。

« イタリアワインと熟成肉 at 小松屋人形町本店 | トップページ | 某輸入元での社員教育セミナー »

試飲会等」カテゴリの記事