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2017.04.02

スペイン、リオハ2 R. ロペスデ・エレディア ヴィーニャ・トンドニア

 こちらもアロにある1877年創業の古典的なワイナリー。ラ・リオハ・アルタの隣にあります。

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▲Don Rafael Lopez de Heredia  y Lanbetaによって設立された、アロの町で最古となるワイナリー。
 

 彼らは、写真からも分かるとおり、とても興味深い場所に畑を所有しています。これらの所有畑ごとにワインを造るのが、この生産者のワイン鑑賞の上でのポイントです。軽い土のCubilloはクリアンサ用、粘土質のGravoniaは白ブドウ用です。重要な畑であり、レゼルバやグラン・レゼルバが造られるのが、ボスコニアとトンドニアのふたつの畑は石灰質ですが、ボスコニアは標高が2,300メートルの平地なのに対して、トンドニアは500メートルと高く、かつ斜面にあるそうです。ちなみにボスコニアとは森の意味、トンドニアとは川が回り込んでいるところという意味。前者の味は分厚くタンニンが強く、後者は軽快で華やか。後者のほうがすっきりとして酸が高いのかと思いきや、前者のTA6・5グラムに対して後者はTA6。数字ではわからないものです。このワイナリーではアメリカンオーク樽のみを使用しますが、樽の馴染みが大変によく、クセっぽさを感じません。「アメリカンオークのほうが組織の密度が高く、ワインの長期樽熟成には、酸素透過性が高いフレンチオークよりもふさわしい」。古典リオハとアメリカンオーク樽は切っても切れない仲なのは、それが理由だったのですね。

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▲エブロ川が大きく回り込む地形。ワインにはその「水辺」性が色濃く感じられ、質感がしっとりとしています。とりわけヴィーニャ・トンドニアは、明らかに「グラン・クリュ」な個性。

 

広いショップが入り口にあり、有料で試飲できます。残念ながらグラン・レゼルバは試飲できません。白とロゼはそもそも一本もショップになく、各国のディストリビューターに送って終わり、だそうです。赤は売ってはいるのですが、「レゼルバを12本買えばグラン・レゼルバを1本買う権利がある」とのこと。「そりゃ無理ですがな」、「レゼルバを1年に一回開ければいいではないですか」。いつかそのような贅沢をしてみたいものです。ああそれにしても、以前一度グラン・レゼルバを飲んだことがあり、その時の感動が忘れられません。日本でもよく見かけるワインですので、皆さんも是非試してみて下さい。

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▲多くの観光客が訪れるワインショップ。テイスティングといっても注がれる量が多く、居心地のよさもあいまって、皆さんずいぶんと長居していました。
 

 ラ・リオハ・アルタもR.ロペス・デ・エレディアも、リオハ・アルタ地区のワインです。しっとりして厚みのある味わいを求めるなら、大西洋に近く粘土の多いこの地区のワインを選びます。飲んで落ち着く味がすると思います。話題の新進生産者がたくさんいるとはいえ、そしてそういう観点からはおもしろいとはいえ、私はリオハ・バハ地区のワインは苦手です。タンニンの粒が大きく、荒っぽさと神経質さが同居しているように感じます。大西洋に近いリオハ・アルタは確かにボルドーに似ていますし、地中海に近いリオハ・バハはラングドックのカリニャン的な方向に近づきます。リオハに私が何を望むのかといえば、私はやはりボルドー的な余裕感であり、しなやかさです。

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▲ヴィーニャ・トンドニア・レゼルバは、テンプラニーリョ75%、ガルナッチャ15%、グラシアーノとマズエロ10%のブレンド。2004年の収穫開始日は10月11日。最大240hlのオーク桶で高い温度で、自然酵母で発酵。自家製のアメリカンオーク樽で6年熟成。澱引きは1年に一回から二回。リオハ独特のピシッとした酸は、グラシアーノがもたらすところが多いという。

 

ところでなぜ大手老舗ワイナリーが同じ場所に固まっているのかといえば、それは目の前に鉄道の駅があったからです。昔は造ったワインを運ぶ手段は、鉄道か船しかありません。リオハはエブロ川が流れているとはいえ、ワインを運びたい方向とは逆の地中海にそそぐ川。話を聞いて、なるほどな、と思いました。

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