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2018.07.11

新生カリフォルニアワイン協会の発足発表会

 いままでカリフォルニアワインインスティテュートと呼ばれていたアメリカのCalifornia Wine Instituteの日本事務所は、カリフォルニアワイン協会と改名し、扇谷まどか氏と手島孝大氏を共同代表として新しい時代に向けた組織として再出発した。

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 その記者会見の内容は彼らのプレゼンテーションを撮影したので、写真をご覧いただきたい。

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 カリフォルニアワインでなければならない、という必然性は、我々の暮らしの中のどこに該当させた時に見えてくるのか。それは極めて難しい。客観的なSWOT分析は彼ら自身がプレゼンテーションしているのでそれを見ていただくとして、私自身の問いとして考えると、正直、積極的な答えが出てこない。カリフォルニアにはしばらく住んでいたので、いやそればかりかレストランでカリフォルニアワインをサービスしていたので、私はそれなりの思い入れもあるにもかかわらず、だ。

 アメリカ文化にいまや誰が憧れを持っているのか。1950年代のコルベットやTバードのようなものとして、ないしハリウッドのようなものとして、カリフォルニアのワインが機能しているわけではない。その文化価値劣化のプロセスは徐々に進展していたとはいえ、トランプ大統領以降は決定的にネガティブな方向へと振れたと思う。あのような「文化」の象徴としてカリフォルニアワインが存在しているなら願い下げだし、文化価値なきワインはある意味その根源的存在意味を失う。

 他の理由を列挙するなら、

1、安くておいしいわけではない。あるプライスポイントにおいて、彩、ディメンジョン、複雑性、陰影感、ダイナミズムといったもろもろの基準で比較するなら、カリフォルニアは明らかに劣位にある。

2、予定調和的、予見可能的なワインが多すぎる。

3、高価なワインならたくさんあるが偉大なワインがそれほどあるか。

4、最近の早摘みスタイルが嫌いだ。

5、カルトワインのノリが、生産サイドから消費サイドに至るまで共感できない。

 こうしてみると、その最大の訴求点は、没価値的なフード・コンパティビリティしかない。ゆえに新生カリフォルニア協会がその点にに関して以降積極的に働きかけていくという戦略を据えたのは実に正当なことだと思う。

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 そこで満を持して登壇したのが、ワインと料理、とりわけカリフォルニアワインとカリフォルニア料理の相性に関する最高権威、小林絵麻氏である。氏の数学的な純粋さをもつ明快なワインと料理の「方程式」がほんのさわりとはいえ氏自らによって解説されたのは、今回のイベントの白眉であった。実際に氏の指導のもとに作られた数多くの料理が並べられ、ワインと共にその理論の妥当性を検証することができた。

 これも氏のプレゼンテーションの写真を見ていただけばお分かりいただけるだろう。もちろん唯一絶対の理論はないから、あれこれと批判的な視点から疑問を提示することはできると思うが、それこそ木を見て森を見ずに陥り、個別的好き嫌いの話に終始して理論体系の構築も吟味もできないという現在の日本の状況から脱却することができなくなる。ここは各人、氏のプレゼンテーションとペアリング実例を見て、自分で考えて欲しい。

 カリフォルニアワインは確かにカリフォルニアでしか得られない特性を持っている。その特性を具体的に把握し、フードペアリングにおける卓越した有用性を認識したい。ひとつ重要な点を最後に言っておきたい。カリフォルニアワインの味はやさしい。ゆえに単体としてはつまらないと思うこともあるが、そのやさしさ・寛容さこそがフードペアリングを容易に成功に導く。

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