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2018.08.26

モンテリー

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 モンテリーだけをテイスティングする講座というのもあまりないでしょう。全コート・ドールの中でもモンテリーは最も関心をもたれない村ではないかとさえ思います。
 モンテリーに行くと驚くのは、まだまだ日本に輸入されていない、ないし輸入はされているが知られていない優れたドメーヌがあることです。つまりは市場性がないからでしょう。日本で出回っているモンテリーは、近隣のムルソーかヴォルネイの生産者のものか、大手ネゴシアンのもの。つまり、モンテリーが欲しいわけではないが、他のワインと共に買うしかない、といった位置づけです。どうして日本のブルゴーニュファンは有名産地のワインしか買わないのでしょうか。
 モンテリーは昔はいまひとつだったことは認めます。モンテリーの地図を見ると、北に向かって大きく谷が伸びています。へんな形です。その先はオート・コート。つまりオート・コートからの冷風が直接吹.き抜ける場所がモンテリーです。気温が低い時ならそれは未熟さ、タンニンの固さ、酸の強さといったネガティブな要素を生み出したでしょう。しかし今は逆にそれがプラスになっていると思います。暑い年でも暑苦しい味にならないのです。

 モンテリー理解の上で重要な点は、

1、村の中で地域名ワインのリューディは実質的にひとつ(Les Gamets)しかない。つまり村全体のテロワールのレベルが高い。

2、ヴィラージュの中でも北に向かう谷の底部はいかにもヴィラージュらしいざらついた質感があるが、谷の両側の畑(西側のLes Plantes, Les Lonjeres、東側のLes Sous Roches, Les Riveaux等)のワインは斜面のマルヌ土壌の畑らしく、繊細で華やかで傑出したレベル。写真の中央のDomaine Dujardinの白は西側最上部真南を向いた区画、La Goulotteからで、ふくよかな果実味に適度な緊張感のあるミネラル感のバランスが素晴らしく、価格を思えばなおさらブルゴーニュ白ワインの代表のひとつと言いたいぐらい。

3、一般に、東にあるヴォルネイ側のワインがエレガントで西にあるオーセイ・デュレス側のワインがごついと言われるが(生産者も口をそろえてそう言う)、実際は逆で、ヴォルネイ側は緩めでアーシーな風味が強く、オーセイ・デュレス側はマルヌ土壌で心地よい微細なメリハリ感とリズミカルな酸がある。

 ご参加の方々の人気が高かったのは、モンテリーの中でも地味な生産者、Domaine Doreauのヴィラージュ。いろいろな区画のブレンドです。最近はやりのツルツルとした若手ブルゴーニュとは対極の、しかし泥臭くない、絶妙の陰影感。日本には輸入されないタイプのワインです。このワインや先述の白を飲むと、確かにモンテリーのヴィラージュのレベルが高いと納得できますし、優れた品質対価格比の注目すべき産地がモンテリーだと認識できます。

 

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