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2018.10.27

オーガニック・プロセッコと上海料理

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九段にある上海料理店、『上海庭』で、オーガニック・プロセッコの講座を行いました。メニューは上海料理らしさがあってプロセッコに合うものを考え、オーナーシェフの張さんに特別にオーダーしました。
1、白切鶏
2、エビの龍井茶葉炒め
3、ローストチキン
4、沪江排骨
5、干糸、エビ、金華ハムの白湯煮込み
6、豆腐と上海蟹味噌
7、葱油開洋拌麺

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 日本人に合わせて普通のメニューは麻婆豆腐とか京醤牛肉糸とか上海とは関係のない料理が大半。予約しに行った時には「こんな料理作っているんじゃない!上海人としてのプライドを持ってほしい」と張さんを激励。通常とは次元の異なる素晴らしい味でした。日本に来る前は上海のホテルにいて江沢民にも料理を出したことがあるという張さんですから、気合が入れば当然本場の味を出してくださいます。干糸や葱油開洋拌麺など、本当に伝統的な上海っぽくてうれし涙が出ました!ちなみに脆皮鶏は広東料理ではないかとつっこまれる前に弁解するなら、Asolo Prosecco Superiore DOCGに対しては他に合うメニューが思いつきませんでした。
 お出ししたワインは先日プロセッコで取材した時に購入してきたものです。白切鶏と脆皮鶏にはAsolo、エビにはコネリアーノ地区のフリッツァンテ。排骨にはDOCのプロセッコ、干糸にはDOCGのヴァルドッビアーデネ、蟹味噌豆腐には同じくヴァルドッビアーデネのビオディナミのワインが合いました。
 平地のDOCワインは、それだけテイスティングしたら水平的で質感が粗いので確かにDOCGより劣った質だとみなされますが、そのかわり流速が遅くて粘りがあるので沪江排骨(ようするに酢豚の高級版)には最高です。DOCはDOCのよさがあります。流速が早いほうから遅いほう、そして重心が高いほうから低いほうに並べれば、アゾーロ、ヴァルドッビアーデネ、コネリアーノ、ノーマルのDOCになります。それと甘辛度合いを鑑みれば、プロセッコは簡単に食事と合わせることができます。アルコールは11パーセント台と低く、酸はしなやかで、泡も強くなく、そして若干の甘さがありますから、中国南部の料理や日本料理が合うはずです。それは今回の上海料理との見事な相性で証明されたと思います。
 ピッツェリア的な飲食店で安くて気軽で安心できるビール代替品みたいな立場になりがちなプロセッコですが、きちんとしたオーガニックのワインは「今まで飲んでいたプロセッコはいったいなんだったのだろう」と思えるほど気品があります。プロセッコのエリアはもともとオーストリア領ですから、今でもワインはどこかオーストリア的な冷涼感と透明感と節度感があるのがおもしろいところ。プロセッコはピッツァのような南イタリアのノリで楽しむものではなく(そう思われているからこその商業的成功なのですが)、しっとりと落ち着いて味わうにふさわしい内容を持っているワインです。しかしオーガニックのプロセッコが恐ろしく少ない現状では、それを実体験する機会さえ普通はありません。残念です。
 それにしてもビオディナミのCol di Manzaは、他に比較するものもないほど圧倒的なプロセッコ。複雑で立体的で繊細で上品で安定感があり、これを飲んでしまうとこれからどうすればいいのだろうと、ご参加の4名の方々全員がおっしゃっていました。日本には輸入されていませんから、またワイナリーに行って買うしかないでしょう。
 ところで今回も新しいテイスティングカップでワインを味わいました。以前のバージョンのカップも持参して比較してみると、やはり新しいほうのエネルギー感や香りや密度感が印象的。ご参加の方が欲しいとおっしゃられたので販売することにしました。これを読まれている方の中でご入用の方はお知らせください。このテイスティングカップの味を経験したら、普通のワイングラスには戻れません。ワインファン(特にビオディナミワインのファン)全員必携だと、個人的には思っています。
 

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