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2018.12.22

カリフォルニアワインと上海料理

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「食べ放題、飲み放題の安い店という印象しかなかった」とご参加のおひとりがおっしゃっていましたが、それはマーケットに合わせてしかたなくだと思います。出身地のお料理を特別に注文すれば、職人魂に火がついて大変に素晴らしいお皿が出てくるものです。
 というわけでオーガニック・プロセッコの講座に続いて再び『上海庭』の張シェフにお願いして、特別料理を作っていただき、カリフォルニアワインをテーマに忘年会。年末のお忙しい中、4名の方にご参加いただきました。
 メニューは以下のとおり。
脆皮炸子鶏
松鼠魚
蝦子海参
腐乳東坡肉
咸魚雞粒炒飯
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 蝦子海参は大昔に上海で食べてインパクト大。くせっぽい味ですから日本では受けないでしょう。腐乳も咸魚も発酵食品で、これまたくせっぽい。メニューの相談に行った時に「咸魚が入手できない」と言うので、香港の西貢にあるオーガニック系食品店で無添加のものを買い、持参しました。超高級店の洗練された創作料理なのか、凡庸な定番か、いい加減な日本風中国料理なのか、という状況の中、こうした普通の中国らしい中国料理はむしろ得難いもの。しかし私はそういう料理が食べたいのです。次にこのお店で講座を行う時は揚州料理を作ってもらいたいと思っています。
 今回それぞれの料理に合わせたのは、マルヴァジア&カベルネ・フラン、シュナン・ブラン、サンジョベーゼ、ジンファンデル&メルロです。上海料理は酸がないし、柔らかいし甘いし濃いし、そしてあか抜けているので、カリフォルニアワインは順当中の順当な選択です。
 94年ヴィンテージのメルロ、06年ヴィンテージのジンファンデル、そして最新の残り4本。カリフォルニアも時代の嗜好には敏感で、こうして約十年ごとのヴィンテージを飲むと、いかにもその時代の味だとわかります。カウボーイ的というかワイルドで地酒っぽい90年代から、派手な金満志向の00年代、そして自然回帰のさらっとした現代。この違いがまたおもしろい。正直、現代のワインを飲むと、昔のは農薬っぽくてわざとらしい味に感じられてしまいます。あまりカリフォルニアワインにお詳しくない方は、以前のカリフォルニアの印象とは極端に違う現代のワインに驚かれてしました。
 東アジアの料理に対する相性という観点からしてカリフォルニアワインの素晴らしいところは、質感が柔らかく、酸がまるく、タンニンが熟していて、重心が下のワインが他の産地より多いことです。サンジョベーゼをナマコと合わせるなど、カリフォルニアワイン以外では考えられません。日本では高くともカリフォルニアワインの人気が大変に高く、よく売れているようですが、それは当然のことだと思いますし、消費者は感覚的によく理解しているのでしょう。食事のためのワインとして、カリフォルニアは絶対不可欠な産地です。
 

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