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2019.08.07

ジャパン・ワイン・チャレンジ2019

Jwc

 

ワインのコンテスト、ジャパン・ワイン・チャレンジに今年も参加した。ひとつのテーブルあたり、午前50本、午後50本ぐらいのテイスティングを行う。経験豊富な審査員ばかりなので、私の仕事は今回は楽だ。

私のテーブルは常にしっかり議論しているので他より時間がかかってしまうのはしかたない。この産地においてこの品種でどのような表現をした場合によいワインと呼べるのか、といった議論と共通認識がなければ、点数は単なる好き嫌いになってしまう。好き嫌いの点数を足して審査員人数で割り、15点なり17点なりという点数をテイスティングシートに書いたとして、その点数になんの意味があるのか。よしあしの客観性の根拠はどこにあるだろうか。「なぜこのワインにあなたは17点をつけるのか」と聞かれたら、その理由を起承転結をつけて論理的に説明できる必要がある。それを他の人たちが聞いて、もっともだと納得できるか否か。私のテーブルは日本人だけなので、議論は日本語。それでうまく表現できないなら、外国語で説得するのはもっと難しいだろう。

昨日のインターナショナル・サケ・チャレンジの審査のように点数を導くフォーマットがあれば簡単なのだが。。。

興味深いのは、皆が点数を高くつけやすいワインの特性だ。それは、
1、アルコールが高くてリッチな味のもの。
2、なめらかでフルーティで飲みやすいもの。
3、アタックが強いもの。
反対に評価が難しいポイントは、
1、ミネラリティー。
2、ストラクチャー。
3、ディティール。
4、余韻。
ワインをテイスティングする本数が増えて舌と頭が疲れてくるほど後者型のワインが評価されなくなる。そういう傾向を補正していくのも私の役目だ。前者型のワインに高い点数を与えることを批判する人はたくさんいる。それをロバート・パーカーの悪影響うんぬんと言ったりもする。しかし実際にテイスティングすると、言行不一致な人は多いものだ。後者の項目をしっかり見定めるためにさしあたってできることは、
1、ワインは絶対に吐き出さずに飲む。
2、絶対に酔っぱらわないようにする。
3、過去に飲んだワインの味を忘れず、新たに飲んだワインとそれら過去の記憶データとを瞬時に比較検討する。

今回は日本のワインを多くテイスティングした。山梨の甲州はすっとんきょうなものがなく、平均品質は確実に向上しているが、同時にどれもこれも似た味で、同調圧力が存在しているのかと思うほどだ。ある有名な山梨の生産者も、スタイルの均質性にひそむ危険と将来への展開可能性のなさについて話していた。「若い子はみんなよくできたまじめないい子だから」。「守りに入っている」。世の中には、バカ、あほ、キチガイ、変人と呼ばれる人も大事だ。もちろん私は、まじめないい子が作ったワインと、キチガイ・変人が作ったワインなら、後者のほうに興味がある。

日本の赤ワインの品質向上には感銘を受けた。全体に、タンニンがなめらかになり、樽も目立たず、軽やかさや抜けのよさが増した。特に東北のワインの出来が素晴らしい。

昨日のインターナショナル・サケ・チャレンジの審査員別の点数分布分析を見た。賞別の全審査員平均得点と個々の審査員の実際の得点との相関性を調べたが、さいわい、私の点数分布と実際の賞には相当な相関性があった。自分が作った採点表を使って自分ができないなら、採点表が間違っているか自分が無能かだ。そして個々人がつけた最高点と最低点にどの程度の得点差があるかを見るのもおもしろい。だいたいパフォーマンスがよい人は得点差も大きい。

 

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