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2019.12.02

日本橋浜町ワインサロン、初心者講座 火山性ワイン

最近は火山性ワイン流行り。ネットを見てもその話が沢山。というわけで、今回の初心者向け講座は火山性ワインを扱った。

火山性ワインとは何か、の定義が明確にあるわけではない。狭い意味ではVolcanic Rock 上の畑のワイン、ということになるだろうが、それはつまり玄武岩、安山岩、流紋岩ワイン。実際そういった場で語られている典型的なワインは、エトナやサントリーニやカナリア諸島だ。とすると、Plutonic Rockワインはどうなるか。Igneous Rockワインと括った方が全体が見えるのではないか。いやそれではまだ不足だ。Tuffはどうなる?岩石学上はSedimentaryだが、中身は火山灰だ。ようは、ワインの味から判断し、ワインの分類上有益な定義を与える方がいい。とすると、Igneous全て、Tuff、そして固結していない火山灰をも含めたらわかりやすいのではないか。

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今回のワインは上写真のもの。ブラジル、イタリア、ハンガリーなど世界あちこちからの凝灰岩、玄武岩、斑れい岩、花崗岩、流紋岩ワイン。地上近くで出来た岩と地下深くでは、またSiO2比率が高いか低いかでは、あまりに明確に味が違う。それぞれの味わいの特徴(岩石学的特徴だけ知っていても役に立たない)を参加者の方々にはしっかりご理解していただけたと思う。こうしてグルーピングしてテイスティングすると、いかに品種の違いが二義的か理解出来る。だからワインを選ぶ際には、TPOに相応しい岩を選べばよい。世界の基本的1000産地の地質は記憶しておくべきだが、覚えていなくとも、「玄武岩ワインから選びたいのですが、リストの中のどれがそうですか?」とソムリエのかたに聞けばよい。

フランス料理店では火山性特に火山岩や凝灰岩ワインは極めて少ない。料理との相性を見れば、火山性土壌からの食材があまりないフランスではそれで困らない。彼らの食材もワインも石灰岩の味が基本だ。しかし火山国日本の多くの食材は火山の味がする。なのにワインだけ石灰岩ならどうか?なぜ誰もこのことを意識しないのか。フランス料理店でワインを頼むような舌の肥えた人なら、火山性食材と石灰岩ワインのミネラル感の乖離に瞬時に気づくはずだ。それさえ分からないならまだワインを頼む資格ナシなので出直してこいと言われる。日本のフランス料理店は、例えば玄武岩ワインとしてペズナスやコート・ドーヴェルニュが必要なのだ。

ひとつの理想のワインリストは、ワインをテロワールで分類したものだ。その中に火山性の大項目があり、火山灰系、溶岩系があり、さらに地上地下に分かれ、例えば溶岩系地上は流紋岩、安山岩、玄武岩に分かれ、それぞれに例えばナパ、ウコ、ワラワラのワインが並んでいればよい。そうすればワインははるかに選びやすい。中学校の教科書に書いてある知識つまり全員が共有しているはずの知識で分かる話だというのが重要だ。専門知識がなければ役に立たないなら意味は薄い。

ともあれ日本では特に火山性ワインの重要度は大きい。ワインは国でも品種でもなく、テロワールでまず選べ。20年間以上私が言い続けていることだ。

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