初心者講座 オレンジワイン
いまやオレンジワインは日本に不可欠な存在。十年前にはマニア向けでも最近は普通に誰もが、「ワインは白にする?赤?それともオレンジ?」と言うようになった。しかしオレンジワインは玉石混淆の極み。流行りだから、と造るような覚悟なき生産者のワインは、オーガニックだろうがなんだろうがハズレ多し。白よりも赤よりも遥かにまずいワインの比率が高い。だから高度なワインファンは逆にオレンジワインと聞くと引いてしまうか、またか、とウンザリするぐらいの混沌とした状況だ。だから今回は、初心者の方々に向けて、ハズさないオレンジワインの選び方をお伝えした。
オレンジワインをいろいろな切り口から分類し、それぞれの有用性、意味を理解していただいた。
1、オレンジワインを造る動機分類 (伝統なのか、技術バリエーションのひとつなのか、商売なのか)
2、土壌分類 (軽い土か重い土か)
3、品種分類 (果皮が厚いか薄いか、芳香性があるか否か。また除梗の有無)
4、発酵容器分類 (タンクなのかクヴェヴリなのか。クヴェヴリの場合は地上置きか埋め込みか、またシールドありかなしか)
5、スタイル分類 (フレーバー型、ストラクチャー型、ボディー型)
こうした視点で分類できるようになれば、どんな土地のどんな品種のどんなつくりのオレンジワインを選べばいいか、各自で考えられるようになる。オレンジワインというだけで喜んだりありがたがったりする時代は過ぎた。
当たり前だが、美味しいオレンジワインは本当に美味しい。今回は最後三本、オスラヴィアのリボッラの完成度に感服し、スピッツァーベルクのグリューナーのかっこよさとアルボワのサヴァニャンの気品に心酔した。乱暴な結論を言うなら、皆が揃って評価したワインは、軽い土で果皮が薄くて味が弱いから醸し発酵にした、という味の補正型オレンジワインではなく、むしろ粘土・果皮厚のワインの個性を醸し発酵にしてさらに強めた、味のブースト型オレンジワイン。すき焼きはもともとこってりした松阪牛ロースを使うからおいしいということだ。
そして、別格の存在が、アワ・ワイン。これがあの偉大なソリコさんが癌でお亡くなりになる前の最後のヴィンテージ。健康だった頃のワインと比べたらエネルギー感がないが、それでも他とは次元が違う壮大なスケール感と深みと存在感。一生忘れてはならない味だった。
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